会社がない!

目が覚めたら、会社がなくなっていた。その世界は、幸せか不幸せか?

妻の異変

私の起床時刻を30分も過ぎているのに、こちらに背を向けて寝ている妻を見て、私はかなり動揺した。

私と結婚して16年、妻は一度も朝寝坊をしたことはない。 

インフルエンザで39℃の高熱がでてても、前の晩に風呂場でこけて肋骨にヒビがはいったときでも、私の出勤時間に間に合わせるために、台所に立とうとしたくらいだ。

 

その妻が、まるで死んだように寝ている。

 

いや、まさか、本当に死んでいる? 

いや、いや、昨晩は全然元気だったし、まさか、そんなことはあるまい。

 

それに、妻はまだ41歳だ。 

でも若くても、急死することが絶対にないとはいえない。 

そういえば、あいつ、最近どうも頭痛がすると言っていたな…。

 

お、おい、よしてくれよ。

おれたちには、高1の娘と小4の息子がいるんだぞ。

それに、じいさん、ばあさんの面倒は誰がみるんだ!

 

「おい、大丈夫か。生きているか!」

私は会社に遅刻する心配をすっかり忘れて、妻の肩を激しくゆすった。

 

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